犬の僧帽弁閉鎖不全症について …

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犬の僧帽弁閉鎖不全症について |知っておくべき正しい診断と治療

犬の僧帽弁閉鎖不全症について |知っておくべき正しい診断と治療

 

 

 

 

 

 

 

 

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」です。

犬や猫の心臓病の診断が近年増えており、日常的に見かける病気のひとつとなっています。

心臓病は早期に発見して適切な治療を行うことが理想ですが、進行していても症状が表に現れず、気づかれないことがあります。また、獣医師の経験や知識が十分ではない場合、検査結果を正確に解釈できず、誤診のリスクが生じることもあります。

特に心エコー検査は、機器を当てる位置や角度、正常な画像の理解が不十分だと、重大な異常を見落とす可能性があります。

今回は、犬の健康を守るためにも知っておくべき心臓病治療の知識について、特に犬で多い僧帽弁閉鎖不全症に焦点を当てて解説します。

 

■目次
1.正しい心臓病の診断方法
2.犬で多い心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」について
3.その治療、本当に適切ですか?
4.認定医による診断と治療の重要性
5.飼い主様ができること
6.まとめ

 

正しい心臓病の診断方法


心臓病では、以下の症状がよく見られます。

・咳が出る
・呼吸が荒い
・呼吸数が増える
・疲れやすい
・動きたがらない など

このような症状が現れた場合は、動物病院で検査を受けることが重要です。特に呼吸数は、普段から意識していないと見落としやすいため注意が必要です。ご家庭で、安静時(寝ている時など)の1分間に何回呼吸しているかを数えることをお勧めします。1分間に30回を超えると少し早く、40回を超えると明らかに異常と判断します。

また、診断には聴診だけではなく、血液検査、レントゲン検査、血圧測定、心エコー検査を併用して行います。

聴診だけでは、病気を見逃してしまう可能性があるため、より詳細な検査で正確な診断を行うことが重要です。

 

犬で多い心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」について


僧帽弁閉鎖不全症とは、僧帽弁(左心房と左心室を仕切る弁)がきれいに閉じなくなることで起こる心臓病です。特に高齢の犬によく見られます。

治療方法は、病気の進行度合いによって異なります。初期の段階では、治療が不要なケースも多く見られますが、病気が進行した場合は、進行を抑えるために投薬が必要になります。その診断はアメリカで公表されているガイドラインに基づき行います。さらに、病気が進行すると、利尿薬や心不全治療薬などの薬物療法が必要となります。

 

その治療、本当に適切ですか?


僧帽弁閉鎖不全症を筆頭に、犬の心臓病は早期発見が非常に大切です。特に病気の初期には、適切な治療法を見極めることがポイントになります。

初期の段階では投薬が必要ないケースが多いですが、中程度から重度に進行した僧帽弁閉鎖不全症の場合、進行具合によって薬の種類や用量が異なります。
そのため、定期的に検査を実施して(3カ月に1回程度)、心臓が今どんな状態なのか、どんな治療が適切なのかをその時々で判断することが求められます。

ここで問題になるのが、不適切な投薬です。たとえば、初期の段階で不要な投薬を行うと、かえって病状を悪化させてしまうこともあります。また、治療を開始した後も定期的に検査をし、状態をチェックしないと、治療法が変わるケースもあります。
そのため、不必要な投薬治療は行わない、治療を開始した後も治療が適切かどうか定期的にチェックする、この2つが重要になります

 

認定医による診断と治療の重要性


一般診療では心臓病だけでなく全身のあらゆる病気を診察しますが、専門診療はその分野のスペシャリストが病気を診察します。

動物の心臓病に関しては、日本獣医循環器学会が動物循環器認定医を定めています。以下のような不安がある場合には、認定医のセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。

・症状がないのに治療を勧められ不安に思う
・現在、必要な検査を受けられていないと感じる
・現在使用している薬の種類や容量が正しいのか、そもそも必要なのか分からない

 

飼い主様ができること


心臓病は症状が現れなくても進行していることがあるため、定期的に健康診断を受診して、心臓の状態をチェックしてもらうことが大切です。犬の寿命が人間よりも短いことを考えると、健康診断は少なくとも年1回、できれば年2回の受診をお勧めします。その際には、血液検査やレントゲン検査、心エコー検査を含んだプランを選択することで、より詳しい情報を得ることができます。

また、日常生活では咳の有無の状態に気を配り、今回ご紹介したような症状が続くようであれば早めに動物病院を受診しましょう。

 

まとめ


犬の健康を守り、長く健やかに暮らすためには、適切な診断と治療が重要です。

特に心臓病では、症状が現れる前の段階で早期発見・早期治療を行うことが重要です。また、定期的な検査を実施し、その時々の状態に応じて適切な薬の種類や量を選ぶことが、効果的な治療のポイントとなります。

当院では日本獣医循環器学会認定医が所属し、心臓病でお悩みの飼い主様に向けて心臓病外来を設けております。より詳しい診断や相談を希望される場合は、当院へのご来院をご検討ください。

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」では定期健診に力を入れており、病気の予防と長期健康維持のお手伝いをしております。


<参考文献>
ACVIM consensus guidelines for the diagnosis and treatment of myxomatous mitral valve disease in dogs - PubMed (nih.gov)


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