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犬の甲状腺機能低下症┃加齢のせいと判断せず早めの受診を
広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」です。
愛犬が普段よりも元気がなかったり、皮膚に脱毛が見られたりすることはありませんか?
その場合は、もしかしたら甲状腺機能低下症というホルモン関連の病気を発症している可能性があります。
今回は犬の甲状腺機能低下症について、原因や治療方法、ご家庭での注意点などを解説します。
■目次
1.甲状腺機能低下症とは?
2.症状
3.原因
4.発症しやすい犬種・年齢
5.診断方法
6.治療方法
7.ご家庭での日常で気を付けること
8.まとめ
甲状腺機能低下症とは?
甲状腺は首の左右にある細長い形状をしている内分泌器官です。
甲状腺はサイロキシン(T4)という、体を活発に保つためのホルモンが分泌されます。しかし、このホルモンが不足することで甲状腺機能低下症という病気を発症します。
症状
甲状腺機能低下症の主な症状は以下です。
・元気がなくなる
・食欲が落ちているのに太ってしまう
・体温が低くなる
・皮膚に異常が起こる(脱毛、皮膚が黒くなる、皮膚が厚くなる など)
・顔つきが変わる(顔がむくんで悲しそうな顔になる)
この病気の症状は気付きづらいため、見落としてしまう飼い主様も多く見受けられます。また、重度の場合は昏睡状態に陥り、命に関わることもあります。
原因
甲状腺機能低下症はほとんどの場合、甲状腺が変性する自己免疫性疾患により引き起こされることが原因とされています。その他にも遺伝的要因や下垂体の問題も関連していることがあります。
また、副腎皮質機能亢進症など他の病気の影響により発症することもあります。
発症しやすい犬種・年齢
甲状腺機能低下症は犬によく見られる病気で、どの犬種でも発生しますが、特に以下の犬種に多くられます。
・トイ・プードル
・柴犬
・ミニチュア・シュナウザー
・ビーグル、
・シェットランド・シープ・ドッグ
・アメリカン・コッカー・スパニエル など
甲状腺機能低下症は5歳以上の中高齢の犬に多く見られますが、若い犬でも発症することがあります。
また、猫も稀に発症するといわれています。
診断方法
甲状腺機能低下症の診断は主に血液検査を行い、甲状腺ホルモンやその他の値を測定することで総合的に判断します。その他にも超音波検査やCT検査を行い萎縮を確認することもあります。
甲状腺ホルモンの数値は、糖尿病やクッシング症候群など甲状腺以外の病気の影響でも低下する場合があります。そのため、他の病気がないかを確認するためにもこれらの検査が必要です。
治療方法
甲状腺機能低下症の治療は、合成甲状腺ホルモン製剤の内服をします。それにより、不足しているホルモンを補うことができます。
症状が改善されたとしても治療をやめると再発する可能性があるため、基本的には長期にわたり薬を内服する必要があります。
また、定期的に血液検査を行い、適切なホルモン値を維持できているかどうかを確認することが重要です。
ご家庭での日常で気を付けること
今のところ、甲状腺機能低下症を予防する方法はありません。そのため、定期的に健康診断を受診し早期発見を心がけましょう。
健康診断は1年に1回受診することを推奨しております。
まとめ
甲状腺機能低下症の症状は主に皮膚に見られるため、一見、皮膚疾患によるものと思われがちですが、このようなホルモン関連の病気が原因である場合も考えられます。
そのため、甲状腺機能低下症は外見のみで診断を行うことは困難なため、定期的に健康診断を受診し、愛犬に少しでも異変が見られたら獣医師に相談することを推奨します。
広尾・恵比寿・西麻布・南麻布中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」では定期健診に力を入れており、病気の予防と長期健康維持のお手伝いをしております。
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