犬と猫の歯周病について|健康…

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犬と猫の歯周病について|健康を守るための予防法と対策は?

犬と猫の歯周病について|健康を守るための予防法と対策は?

 

 

 

 

 

 

 

 

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」です。

歯周病は、適切な口腔ケアが行われないことによって発生する病気です。主に成犬がかかりやすいといわれています。
食べカスが歯の表面に残ったまま放置すると細菌が繁殖して歯周組織に炎症を引き起こしてしまいます。また、口の中以外にも鼻炎や他の呼吸器感染症、心臓病、腎臓病など深刻な健康問題を引き起こす原因となり得るため、予防や早期に治療することが非常に大切です。

今回は犬と猫の歯周病について、症状や原因、治療方法などについてご紹介します。

 

■目次
1.犬と猫における歯周病とは
2.犬と猫が歯周病になってしまったときの症状
3.歯周病になる原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点

 

犬と猫における歯周病とは

歯周病とは、歯垢内の細菌が原因で歯周組織に炎症が生じる疾患です
3歳以上の犬の約80%、猫では70%が患っていることが報告されているため、ほとんどの成犬や成猫がすでに歯周病にかかっているか、将来発症するリスクが非常に高いと考えられます。

 

犬と猫が歯周病になってしまったときの症状

犬と猫の歯周病にはさまざまな種類がありますが、中でも代表的なものは歯肉炎と歯周炎です。

 

歯肉炎

歯周病の初期段階は、歯肉に炎症が生じることで始まります。初期段階の症状は分かりづらいため飼い主様のほとんどの方が気づかず、見過ごしてしまうことが多いです。
歯肉炎の代表的な症状には以下のようなものがあります。

歯肉の赤みや腫れ:歯肉が普通よりも赤くなり、腫れや痛みが生じます。

歯肉からの出血:歯を磨いたり、歯肉を軽く触れたりしただけで出血することがあります。

口臭:口の中から異常な臭いがすることも、炎症が起きているサインです。

 

歯周炎

歯肉炎の発症後も歯磨きなど適切な口腔ケアを怠った場合、さらに深刻な状態である歯周炎に進行する可能性があります。歯周炎では炎症が歯肉だけでなく、歯を支える歯槽骨やその周囲の組織にも広がってしまいます。
歯周炎の代表的な症状は以下です。

歯肉の強い腫れ:歯肉が強く腫れ上がり、赤く痛みを伴う状態です。
歯肉から膿が出る:感染がかなり進んでいる場合、歯肉やその周りから黄色や白色の膿が出る場合があります。
強い口臭:炎症と細菌によって、通常の口臭よりもはるかに強烈な悪臭がします。
食欲不振:歯肉の痛みにより食事を嫌がることがあります。
歯がぐらつく、抜け落ちる:歯槽骨が破壊されることで歯がぐらついたり、歯が抜け落ちたりすることがあります。
顔の腫れ:炎症が悪化すると顔が腫れることがあります。

さらに歯周炎が進行し、歯槽骨や顎骨へと炎症が進行すると、骨が溶けることで、「口腔鼻腔フィステル」といった状態や顎骨折を起こすリスクが高まるため注意が必要です。
口腔鼻腔フィステルとは、顎骨が溶けることで穴が開き、口腔と鼻腔が繋がってしまう状態を指します。上顎犬歯で生じやすく、繋がった穴を通じて食べ物やお水、よだれが口から鼻に入ってしまうため、くしゃみや鼻水などの症状がみられます

 

歯周病になる原因

歯周病は、主に歯垢内で増殖した歯周病原性細菌が原因で起こります。
犬や猫では、人に比べて歯垢が歯石へと変化するまでの期間が短く、約3日程度で歯石になるといわれており、一度歯石になるとご家庭でのケアだけでは歯石の除去が難しくなります。

他にも、免疫力、栄養状態、ストレスなどの環境が原因で歯周病が進行することもあります。

 

診断方法

  歯周病の診断には、歯の表面だけでなく、歯肉や歯根膜の状態、歯周ポケットの深さなどを評価します。

さらに、歯周病の進行状態に応じて、口腔内のX線検査を行うこともあります。これにより歯と歯肉の下の隠れた部分まで詳しく見ることができ、歯周病の進行度を正確に把握することで、適切な治療計画を立てていきます。

 

治療方法

歯周病を治療する上で最も重要なことは、歯垢と歯石を取り除くことです。
この処置を行う際に、歯を支える骨である歯槽骨に炎症が生じたり、歯がぐらついたりしている場合は抜歯を行うこともあります。

歯の根元で感染が起きている場合や、炎症が原因で顎の骨が溶けてしまっている場合は、抗生剤を使用した内科治療を行います。これにより感染の拡大を防ぎ、同時に炎症を抑えることができます。

症状が進行している場合は、歯肉切除術を含む歯周外科治療が必要になることもあります。

当院では、農林水産省の認可が下りている動物への刺激が少ない治療器「プラズマ治療器Pidi」を用いて治療を行っています。
通常の口腔治療は、全身麻酔を前提として行いますが、全身麻酔は体への負担が大きいため高齢の犬や猫の口腔治療を断念する飼い主さんも少なくなかったと思います。
しかし、プラズマ治療器Pidiでは年齢にかかわらず、歯肉炎の緩和や口臭に対して麻酔を使用せずに治療することができます

治療方法は、プラズマトーチの中で生成されるプラズマによりできる活性種を含むガスを炎症のある歯肉に吹き付けます。それにより歯肉炎症を抑え、口臭の軽減を行います。
また、それらの治療の効果以外にも涙やけが減るといった効果も期待できます。

 

予防法やご家庭での注意点

歯周病を予防するには、日常的に口腔ケアを行うことが非常に重要です。

しかし、歯磨きを嫌がる犬や猫もいるため、まずは口周りや歯に触られることに慣れさせましょう。最初は嫌がることが多いですが、褒めたりおやつを与えたりしながら、口周りに触られることに慣らし、少しずつ歯ブラシでのケアを始めていきます。無理やりにするのではなく、褒めながら行い、歯磨きは楽しいものだと学習させることが大切です。

犬や猫は、幼少期から社会化期のうちに毎日の歯磨きや口の周りに触れる練習をすることで、後々のデンタルケアをスムーズに行うことができます。
(社会化期:犬は生後3〜14週間、猫は生後2〜10週間頃)

他にも、硬いものを噛むことによって歯垢が落ちやすくなるため、ウェットフードよりもドライフードを与えることが推奨されます。さらに歯周病が気になる場合は、デンタルケア専用のガムを使用するのも良い選択です。
これらの対策を行って愛犬愛猫の歯の健康を守りましょう。

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」では定期健診に力を入れており、病気の予防と長期健康維持のお手伝いをさせていただきます。

 

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