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猫の甲状腺機能亢進症┃早期発見・早期治療がカギ
広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」です。
猫の甲状腺機能亢進症は、主に高齢の猫に多く見られる病気です。
この病気を発症すると猫の様子に異変がでる、顔つきが変わるなどが見られることがあり、実際にどのような病気なのかと気になる飼い主様も多いのではないでしょうか。
今回は猫の甲状腺機能亢進症について症状治療方法、ご家庭での注意点などを解説します。
■目次
1.甲状腺機能亢進症とは?
2.症状
3.原因
4.診断方法
5.治療方法
6.ご家庭での日常で気を付けること
7.まとめ
甲状腺機能亢進症とは?
猫の甲状腺ホルモンは体の代謝を調節する役割を持っています。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると新陳代謝が異常に高まり、甲状腺機能亢進症という病気を発症します。それにより、さまざまな臓器に負担をかけます。
甲状腺機能亢進症は高齢の猫によくみられ、7歳以上の猫の1割以上は、甲状腺機能亢進症を発症しているといわれています。
ちなみに、稀に犬でも発症するといわれています。
症状
甲状腺機能亢進症を発症すると代謝が高まるため、普段よりも異常に活動的になり落ちつきがなくなります。他にも、以下の症状が見られます。
・食欲が増す一方、体重が減少する
・下痢や嘔吐が多くみられる
・以前よりも活動的になった
・水を飲む量が増えておしっこの量も増えた
・毛並みやツヤが悪化した
・攻撃的になる など
甲状腺機能亢進症は身体の消耗が激しいため、最終的に全身の衰弱を引き起こします。
これらの症状が見られても、老化が原因と思い込んでしまったり、他の病気で同じような症状が現れるため、見過ごされてしまうことが多くみられます。
原因
甲状腺機能亢進症は、甲状腺の腫瘍や過形成が原因で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。
甲状腺機能亢進症を発症する原因は解明されていませんが、加齢や食事、遺伝的要因が関与していると考えられています。
診断方法
甲状腺機能亢進症の診断は超音波検査で甲状腺の大きさを確認し、腫瘍化しているかどうかを確認します。それと同時に血液検査を行い、甲状腺ホルモンの値を測定します。
また、腎臓病や心臓病などの併発疾患を確認するために、X線検査や超音波検査、血圧測定などの検査を行うこともあります。
治療方法
甲状腺機能亢進症の治療は、薬を飲み続ける内科的治療法と手術によって甲状腺を切除する外科的治療法の2つがあります。
ほとんどの場合、内科的治療が選択され、薬を生涯にわたって毎日投与する必要があります。
その他にも、補助治療として食事療法を取り入れる場合もあります。
外科治療では、腫大した甲状腺の一部を摘出します。
ご家庭での日常で気を付けること
今のところ、甲状腺機能亢進症を予防する明確な方法はありませんが、定期的に健康診断を受けることで、病気を早期に発見して治療を行うことができます。
高齢になるとさまざまな病気にかかりやすくなるため健康診断を受けたところ、偶然「甲状腺機能亢進症」が見つかることがあります。それから、肝臓の数値が高かったため肝臓の病気かと思いきやその病気が発見されることもあります。
ですので、健康診断で肝臓の数値を指摘された場合は、より詳しく検査を受けましょう。
ご家庭では、普段から飼い主様が愛猫の様子を観察し、食欲や活動レベルの変化が見られた場合は速やかに動物病院を受診することが重要です。
まとめ
今回の記事では、猫の甲状腺機能亢進症についてご紹介しました。
甲状腺機能亢進症は症状に大きな異変が見られないため、それほど深刻に捉えられないこともあります。飼い主様は普段から生活の中で愛猫の様子の変化に注意を払い、健康で快適な生活を送れるように管理することが重要です。
広尾・恵比寿・西麻布・南麻布中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」では定期健診に力を入れており、病気の予防と長期健康維持のお手伝いをしております。