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猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)について|最新の治療法で改善する可能性がある

猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)について|最新の治療法で改善する可能性がある

 

 

 

 

 

 

 

 

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」です。

かつては不治の病とされてきた「猫伝染性腹膜炎(Feline Infectious Peritonitis:FIP)」は、「猫コロナウイルス(FECV)」によって引き起こされ、発症するとわずか1〜2週間で命を落とす可能性がある恐ろしい病気です。

そのため、早期に発見し適切な治療を行うことが非常に重要です。

 

今回は猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)について、症状や原因、治療方法などをご紹介します。

 

■目次
1.FIP(猫伝染性腹膜炎)とは?
2.症状
3.原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点
7.もし、FIP(猫伝染性腹膜炎)にかかってしまったら?
8.まとめ

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)とは?

FIPとは、猫コロナウイルスの突然変異によって発症する病気で、特に1歳未満の子猫に発症しやすいといわれています。

 

症状

FIPには、ウェットタイプ、ドライタイプ、そして両方の特性を持つ混合タイプがあります。

この病気は猫によって症状が異なるものの、一般的に発熱や食欲不振、体重減少などの症状が見られます。

 

ウェットタイプ

ウェットタイプの場合、短期間で症状が悪化する傾向があります。

 

ウェットタイプの症状は、腹膜炎や胸膜炎など内臓を包む膜の炎症によって、お腹や胸に水が溜まり、呼吸困難を引き起こすことが特徴です。特に腹膜炎の場合は、体重が減少する一方、腹が膨らむため変化に気付きやすいです。

また、稀に心臓を包む膜に水が溜まることで、心拍数や呼吸数が増加することがあります。

 

ドライタイプ

ドライタイプは、肝臓や腎臓といった内臓、脳、目などに発症する「肉芽腫(にくげしゅ)」と呼ばれるしこりができることが特徴です。

 

これらの箇所から発症した場合、以下の症状が見られます。

・肝臓や腎臓:腎機能の低下や臓器が異常に大きくなるなどの症状

・脳:頭が斜めに傾く(斜頚)、眼球が小刻みに揺れる(眼振)、けいれんなど神経系の症状

・目:炎症により目が濁る、目の色が変わるなどの症状

 

どのタイプでも病気が進行すると、猫の健康状態は急速に悪化することがあります。

 

原因

FIPの原因は猫腸コロナウイルスが突然変異して、猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)になることです。この変異は、猫の免疫システムがウイルスに対して異常反応することにより引き起こされます。

 

また、感染の具体的なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、糞便や唾液を通じて感染し、猫同士が密接に接触することで感染のリスクが高まります

 

診断方法

FIPの診断は、猫の症状と臨床所見に基づいて実施します。

初期段階では問診と身体検査を行い、その後、画像検査や血液検査などさまざまな検査が行われます。

 

また、抗体検査やPCR検査などの遺伝子検査も行われますが、これらの検査結果だけでFIPを断定することは困難です。そのため、さまざまな検査結果を総合して最終的な診断を下します

血液中のα1‐AGP(α1酸性糖タンパク)という急性期反応タンパクの濃度を測定し、FIPの可能性を判断することもあります。

 

治療方法

FIPはかつて治療法がないとされていましたが、最近の研究により、特定の薬剤が治癒につながる可能性があることが明らかになっています。

しかし、治療期間が長くなることが多く、定期的な健康チェックと症状の観察が必要です。そのため、早期に治療を行うことが症状の悪化を防ぎ、治療の成功率を高めます。

 

また、従来の治療法には免疫抑制剤や抗炎症薬の使用、サポートケアが含まれていますが、これらは病気の進行を遅らせる効果はあっても、根本的な治癒には至りません。

 

しかし、現在進行中の研究と新たな治療法の開発により、FIP治療への新たな希望が見え始めています。

 

予防法やご家庭での注意点

FIPの予防には室内での飼育を徹底し、ほかの猫との直接的な接触を避けることが効果的です。また、バランスの良い食事と免疫力をサポートするための栄養補助食品の提供やストレス管理も重要です。

 

定期的に健康診断を受けることで、FIPだけでなくほかの病気の早期発見にもつながります。

 

もし、FIP(猫伝染性腹膜炎)にかかってしまったら?

FIPの初期症状はほかの病気でも見られるため、判断することが困難です。

 

そのため、愛猫の様子に異変を感じたら、早めに動物病院に相談することが重要です。

特に体力のない子猫は、病状が悪化する前にできるだけ早く治療を始めることが推奨されます。

 

まとめ

FIPは、かつては治療法がないとされていた深刻な病気ですが、現在は特定の治療薬により治療の選択肢が増えています。

そして、FIPは予防と早期発見が非常に重要であり、室内飼育の徹底や定期的な健康診断が推奨されます。

 

愛猫の健康を維持するためには、適切な知識と予防策を身につけ、病気を引き起こした際には迅速に対応することが大切です。

 

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」では定期健診に力を入れており、病気の予防と長期健康維持のお手伝いをさせていただきます。

 
 

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